トイレ使用の世界珍作法

男女さかさま

紀元前五世紀に古代エジプトを旅したギリシヤの歴史家ヘロドトスは、エジプト人が街頭で排泄行為をするのに驚いた。それだけでなく、「小便を女は立ってし、男はしゃがんでする」と、男女ひっくりかえったような小便スタイルにも仰天した。

ところが、これはそれほど珍しいことでもない。現代でも同じ法則の人々がいる。ニカウさんでおなじみの、アフリカはカラハリ砂漠の部族が、古代エジプトと同じ習慣。その部族の女は、立ったまま少々前かがみになって放尿する。女の立ち小便だが、男はしゃがんで放尿する。

「それが決まりだ」とは彼らの弁。女は立って、男はしゃがんで、が彼ら流の放尿作法!しかも、カラハリ砂漠だから放尿中に遮蔽物もない。戸外でおおらかに放尿する古代エジプト人と同じである。

ウルトラC歩きウンコの秘術

ニューギニア奥地のジャングル地帯。ここにはいまだに石器時代に近い生活を送っている人々がいる。この地に調査に入った西丸震哉氏は「探検家のやじうま見聞録」に、ニューギュア流の奇妙なトイレ作法を紹介している。

この地の人々は、腰蓑(こしみの)1つの裸族だが、礼儀正しく、人前では脱糞はもちろん小便もしない。周囲に広がるジャングルに入ってひそかに用を足す。しかも30秒程度でジャングルから出てくる、早糞である。

ジャングルの中は、うっそうとした樹木が生い茂り、のんびりしゃがんでいたら、たちまち足下からヒルが這い上がってくる。その数、平均して5秒に1匹だから、一瞬たりともしゃがんでなどいられない。

それではどうやるのか?実は歩きながらの放尿、脱糞!糞のほうは、ガニ股に歩いて出すのだろうが、ホクホクあるいはジャージャーと歩いて済ませる。これがニューギェア流の歩きウンコの秘術だ。ヒルの多い密林という風土が生み出したトイレ術である。

同じ流儀が現代文明の中心地アメリカでも昔は見られた。明治時代、アメリカのミシガン州立農学校の寄宿舎で南方熊楠が目撃している。

この寄宿舎、冬の寒さが厳しくて、トイレまで遠い。そこで学生は、寒い夜はもっぱら歩きウンコ。同宿の村田源三は、さすがメリケンは実用的であると感心して、さかんに秘術を練習したという。風土によってスタイルも工夫する。さすが人間は文化的動物である。

結婚式の贈り物は便器

便器が贈り物にもてはやされた時代がある。それが18世紀のヨーロッパ。モーツァルトやカサノバが生きていた時代だ。1768年、フランスのド・デファン侯爵夫人は、ド・ショワズ夫人から溲瓶(しびん)をプレゼントされた。そのお礼の手紙には次のように書かれている。
親愛なるおばあさま。昨朝、私のベッドにあなたさまからといって、大きな包みが届けられたとき、私の驚きがどのようであったか・・・。私はそれ(包み)に手を差し入れ、エンドウ豆を見つけました。それから1つの瓶-「溲瓶だ」と私は大急ぎでそれを引き出したのです。でも、とても美しく立派なので、家の者たちは口を揃えて、「ぜひともソース入れにしなくては」といったほどでした。渡瓶は昨日は一晩中人目を引き、皆の賛美の的でした。
と、溲瓶のプレゼントに大喜びし、家中の召使いにまで見せびらかした。ついでに溲瓶の中に詰めてあったエンドウ豆についても、「エンドウ豆のほうも1つ残さず食べました」高貴な名流婦人の間で、こういうプレゼントがやり取りされていた。

一般の市民の間では、寝室用便器が結婚式の贈り物になった。こちらは新郎新婦に贈られたもので、便器の底には、絵や文句が書いてあって、たとえば、うっとりと目をみはっている男や女の顔とともに、「おお見えるぞ!」という文句があったりする。

これは上品なほうで、便器の底にこうあるのも「忠告。あなたの嫁さんには、私(寝室用便器)に当てはまることを、そのまま規則にせよ。晩はあなたが寝る前に、朝はあなたが起きる前に。そうすれば、あなた方は幸せな夫婦になれる」「たとえあなたが、夜中に何度手をお出しになっても、不平をいわないあなたの寝室用便器のように、私もじっとお待ちしております・・・女房」意味はじっくりお考えください。

— posted by ミケ at 10:45 pm